誇り高き
鬼
鬼さん此方、手の鳴る方へ。
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「総司、蜻蛉の様子はどうだ」
整った顔の眉間に皺を寄せ、卓上の文を睨んでいる男が、吐き捨てる様に言う。
「相変わらずですね」
縁側に寝転んだ、総司と言う男___此方も中々の美青年___が肩をすくめて答える
「気になるなら、様子を見に行けば良いのに」
「ふん」
「鬼の副長とまで言われる人が、女子を怖いなんて。くくっ、ねぇ土方さん?」
「誰が怖いだって?見に行く暇が無かっただけだ。それから総司。女子とは限らん油断をするな」
「してませんよ。じゃあ私は様子を見に行って来ますよ」
すくり立った美青年に男は鋭い眼光を浴びせ掛ける。
「待て」
「何ですか?土方さん」
「俺も行こう」
ついに鬼のお出ましか。
美青年、もとい沖田総司は嬉しそうにわらった。