誇り高き
「楽しい……?」
「こうして、皆と酒を飲むのは、楽しいですよ」
紅河は目を細めて、どんちゃん騒ぎを見やる。
その口元は、三日月の形にかたどられていた。
仄かにに頬が赤く染まっている。
「そうか」
斎藤も微笑みを浮かべた。
「何だ、何だ。お前ら、そういう関係だったのか?!」
毎度のことながら、べろんべろんの原田が、此方を指差し大声で叫んでいる。
「何を言っている」
「そう言う関係とは、何のことです?」
斎藤は無表情で、紅河はにこりと笑い__目は笑っていない___訊ねた。
「え、えっとだなー」
二人の無言の殺気に当てられ、威勢の良かった原田は、急にまごまごし始めた。
「二人とも、折角の祝いの席で殺気出さないでくださいよ」
見兼ねた沖田が割って入る。
「総司、助かったぜ……」
原田がほっとして沖田に礼を言う。
「総司、随分と上機嫌だな」
「そりゃあね。近藤さんも喜んでますし」
近藤至上主義の沖田にとっては、近藤の喜びは自分の喜びに等しい。
普段より酒も進んだらしく、素面に見えて実はかなり酔っている。
沖田にしては珍しい事だ。
「幕府から正式に認めららたんだもんな。そりゃ嬉しいだろう」
うんうんと原田が頷く。
「新撰組、か。良い響きだ」
斎藤もかなり嬉しそうだ。
「………新撰組」
「何だ、紅河。気に入らねぇのか?新しい名は」
あまり嬉しくなさそうな紅河。
「気に入らない、わけではありませんよ。ただ、壬生浪士組と言う名が無くなるのが寂しいな、と思って」
皆が、あっという顔をした。
新しい名前に浮かれて気付かなかったが、確かにこれから壬生浪士組の名前は使われないだろう。
「確かにそう思うと寂しいな。壬生浪士組の名が無くなるのは惜しい」
「俺達の始まりだもんな」
「そうですね。………なら、こう捉えてはどうですか?」
沖田が右の人差し指を立てる。
「こうして、皆と酒を飲むのは、楽しいですよ」
紅河は目を細めて、どんちゃん騒ぎを見やる。
その口元は、三日月の形にかたどられていた。
仄かにに頬が赤く染まっている。
「そうか」
斎藤も微笑みを浮かべた。
「何だ、何だ。お前ら、そういう関係だったのか?!」
毎度のことながら、べろんべろんの原田が、此方を指差し大声で叫んでいる。
「何を言っている」
「そう言う関係とは、何のことです?」
斎藤は無表情で、紅河はにこりと笑い__目は笑っていない___訊ねた。
「え、えっとだなー」
二人の無言の殺気に当てられ、威勢の良かった原田は、急にまごまごし始めた。
「二人とも、折角の祝いの席で殺気出さないでくださいよ」
見兼ねた沖田が割って入る。
「総司、助かったぜ……」
原田がほっとして沖田に礼を言う。
「総司、随分と上機嫌だな」
「そりゃあね。近藤さんも喜んでますし」
近藤至上主義の沖田にとっては、近藤の喜びは自分の喜びに等しい。
普段より酒も進んだらしく、素面に見えて実はかなり酔っている。
沖田にしては珍しい事だ。
「幕府から正式に認めららたんだもんな。そりゃ嬉しいだろう」
うんうんと原田が頷く。
「新撰組、か。良い響きだ」
斎藤もかなり嬉しそうだ。
「………新撰組」
「何だ、紅河。気に入らねぇのか?新しい名は」
あまり嬉しくなさそうな紅河。
「気に入らない、わけではありませんよ。ただ、壬生浪士組と言う名が無くなるのが寂しいな、と思って」
皆が、あっという顔をした。
新しい名前に浮かれて気付かなかったが、確かにこれから壬生浪士組の名前は使われないだろう。
「確かにそう思うと寂しいな。壬生浪士組の名が無くなるのは惜しい」
「俺達の始まりだもんな」
「そうですね。………なら、こう捉えてはどうですか?」
沖田が右の人差し指を立てる。