誇り高き





__________大切なものさえ守れない程に私が弱いから。









強く、なろう。

もう、私には何も残されていないけれど。

一人で生きていく為に。

強くなって。

何にも縛られない自由を得る。





信じれる者は、己が一人。






すっと心が冷えた。

‘‘どんな手を使ってでも、生きなさい”

母上、貴女の言葉通り。

私は、どんな手を使ってでも生き延びよう

例え、修羅に堕ちようとも。

私は決して膝を屈しない。

文字通り血に染まった道を歩んで行こう。




けれども………




道を照らしてくれる光がどこにも見当たらない。

真っ暗な闇しか見えない。

怖い。

震えが止まらない。



そして、酷く寒い。

凍りついてしまうほど。




あぁ、そうだ。

怖いという感情は心から生まれる。

そのせいで前に進めないならば。

心など凍りついてしまえばいい。

冷たい冷え冷えとした心に。







そしたらもう、怖くないでしょう?
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