トキトメ
「どこ?」

「さっきは、奥の部屋の窓際に・・・」

「離れてて。やつは、時々飛んで来るからさ」

「もー私、気を失いそう・・・」

 俺は丸めた新聞紙を片手に、カーテンに手を掛けた。

 その隙間から、やつが飛び出して来る。

 彼女は悲鳴を上げてパニック状態だった。

「殺してー」
 
 俺は狙いを定めると、やつを叩き潰した。

「よし、完了!」

 始末すると、死骸をゴミ袋に捨てた。

「ありがとうございます・・・」

「大丈夫? 顔色が悪いよ」

「その袋に死骸が入っていると思うだけで、気分が・・・」

「持って帰ろうか?」

「いえ大丈夫です」

「本当に?」

「はい。すみませんでした」

 くすくす。

「笑わないで下さい」

「ごめんごめん」

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