トキトメ
「それで、気持ちの整理は出来ましたか？」

「彼の事は信じます。彼女とは何も無かったんだと信じます」

「そうですか。それじゃ、彼を呼んでもいいんですね？」

「私、お腹の子は、下ろそうと思います」

「えっ！　どうしてですか？　愛する人の子ですよ」

「彼が、この子の事を知ったら、責任を取って結婚するって言い出すと思うんです。彼には将来がある。私の為に、犠牲になって欲しくないんです」

「犠牲？　彼はそんな事思わないと思います」

「えっ？」

「彼は、本当にあなたの事を愛している。子供が出来た出来ないに関係無く、いつかはあなたと一緒になりたいと思っているはずです。もっと彼に甘えてもいいんじゃないでしょうか？　僕でさえ、あなたの力になれるのが嬉しいと感じています。だからなおさら、彼はあなたの為だったら何でもしてあげたいと思っているはずです」

「塚田さん・・・」

「だから、もっと彼に頼ればいいんです」

　彼に頼る？

　それでいいの？

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