トキトメ
1ヶ月後、私達は出勤前に区役所に婚姻届けを提出しに行った。

「おはよう」

「椛島リーダー!」

 出社する事を知らせてなかったので、オフィスにいた全員が驚いていた。

「もう大丈夫なんですか?」

「ええ。長い間、迷惑かけてごめんなさい。これからまた、頑張って仕事するから。えっと課長は?」

「今日は現場に直行です」

「そう。それじゃ、課長には後で報告するとして・・・」

 私は、良くんに目を向けた。

 それを合図に、彼が口を開いた。

「えー、皆さん。今日は皆さんにご報告があります」

「何? 前田くん」

「実は俺達、結婚しました」

 私達は、手にはめたペアリングをみんなに見えるように差し出した。

「・・・」

 あまりにも想定外だったのか、みんな驚くというよりまだ事情を把握してないような表情だった。

「ついでに春には、パパとママになります」

 彼は、私のお腹を撫でた。

「えーーーーーーーーーーーーーー」

 
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