トキトメ
「そうですね。・・・それじゃ、先に行ってます」

「うん。なるべく早く行くから」

「待ってます」



 彼は、試用期間の1ヶ月を過ぎた頃から、ほとんどの仕事はこなせるようになっ
ていた。

 大学を卒業して、初めて就職したのがここで、その前にバイトはいろいろしてた
みたいだけど、それにしても仕事の飲み込みが早い。

 この分だと、先輩達を追い抜くのも時間の問題じゃないかしら?

 いけない。

 ぼーっとしてる暇は無かったんだった。

 早く仕事を片付けて、みんなに合流しなくっちゃ。



「お待たせしました」

 店に到着した時には、既に宴もたけなわといった感じで、顔を真っ赤にしている
社員もいた。

「おう、来た来た。椛島、前田の横の席を開けといたから、早く座れ」

「課長、私端っこで良かったのに」
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