トキトメ
 何の話をすればいいんだろう。

 静かな時間が流れる。

 あーダメ。

 何か話さなきゃ。

「ごめんね、いきなりこんな事になっちゃって。私酔ってたのかな・・・」

「酔った勢い? それじゃ、俺と寝た事、後悔してる?」

「えっ?」

「やっぱり俺じゃ、律子さんの相手にはふさわしくないかな?」

「そんな事ない。後悔なんてしてないわ」

「律子さん?」

 こんなに突然、白馬の王子様が現れるなんて、想像もしていなかった。

 でも、手放しで喜べないよ。

「怖いの。あなたみたいに若くてカッコいい人が、私の事を本当に好きなの
かって」

「自信が無い?」

 コクリと頷づく。

「俺は、あるよ。律子さんをずっと愛し続けるって自信」

「良くん・・・」




< 30 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop