トキトメ
「俺の事、信じてくれないか?」

 私に向けられた瞳からは、嘘は感じられない。

 真っ直ぐ、私に向けられた瞳。

 信じても・・・いいよね?

 彼の唇が近づいてきた。
 
 そっと目を閉じる。

 やわらかい唇が、私に触れる。

 そして、彼の指先が太ももから足の付け根へと移動してきた。

「待って」

「えっ?」

「ごめん。しばらく出来ない・・・」

「えっ? 痛かった?」

「ちょっとね・・・」

 初めての時は痛いって聞いてたけど、思っていたよりも平気だった。

 それでも、日頃足を開く事なんてないから、股関節が痛い。

 今はそちらの痛みの方が大きかった。

「ごめん。本当はもっとゆっくり進みたかった。律子さんもそう思ってるでしょ
?」



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