トキトメ
「彼は、ウォーキングクローゼットを覗き込んだ。

「わっ! こんなに奥行があるんだ・・・」

「小さな1つの小部屋みたいでしょ? ここにたくさん入っちゃうから、部屋が広
く使えるの」

「それにしても、物無さ過ぎじゃない? テレビも観ないの?」

「テレビは、パソコンで観てる」

「へぇ~。俺、ここに引っ越して来ちゃおうかな」

「えっ?」

「って、それはあんまり強引過ぎだね。まっ、近いからいつでも」

「いいよ」

「えっ?」

「一緒に暮らそう」

「律子さん?」

「それから、私の事、律子って呼んで。なんか、さん付けだと年上だって事、意識
しちゃうから」

「わかった。じゃあ、律ちゃんって呼ぶよ」

 
 
 それから街に出かけた。

 一緒に買い物をし、ランチを食べた。

 夕食の買出しも済ませ、今度は私の部屋で手料理を振る舞う。
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