トキトメ
 マンションに荷物を運び入れる。

 大きな家具はない。

 運ぶのは主に段ボールケース。

 さすがに彼の物まで全部は、クローゼットに入りきらなかったので、すぐに
使わない物は段ボール箱のまま部屋の片隅に積み上げた。


 
 私達が落ち着いたのは0時を過ぎた頃だった。

「あー何とか終わったわね。お風呂入って、早く寝なくちゃ」

 お風呂から上がって髪を乾かしていると、先に上がっていた彼がやって来た。

「律ちゃん、何かする事ない?」

「じゃあ・・・明日のお米を研いでもらえるかな?」

「何合?」

「お弁当作るから、2合半で」

「お弁当って、俺の分も?」

「そうよ」

「それ、マズくない? 同じおかずが入ってたら、怪しまれるかも」

「だったら、違う内容にするわ」

「それも不経済だよ。俺、おにぎりとカップ麺でいいよ」

「でも・・・」

「もし将来、2人の関係がバレたら、そん時は堂々と作ってもらうよ」

「わかった」

 

 ベッドに入り、体の力を抜く。

 ああ、1日中働いたので疲れた。

 明日、起きられるかしら?

 そんな事を考えているうちに、すぐに瞼が重くなり、眠りに落ちた。

 
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