トキトメ
大丈夫かなぁ・・・

 えい。乗ってしまったものは仕方ない。私は助手席で化粧をした。

「今日は、月曜日恒例の会議だわ。毎週やんなくてもいいのに」

「リーダー会議?」

「そう」

「朝から大変だね」
 
 

 駐車場は、会社の地下にある。車で通勤している社員は皆ここにとめていた。

「おはようございます」

 近づいて来たのは、同じ部署の大賀恵だった。

「金曜日はお疲れ様でした。あれっ? 前田くんと一緒ですか?」

 彼女は、私と良くんを首を何往復もさせて見た。

「おはようございます。金曜日にリーダーを家まで送ったんですけど、丁度通り道
だったから、俺が運転手に名乗りを上げたんです」

「へ~、リーダーますます出世しましたね。お抱え運転手まで出来て」

「大賀、そんな言い方やめてよ~。恥ずかしいじゃない」

「それじゃ私、先に上がってます」

「うん、すぐ行く」

 彼女の姿が見えなくなると、私は良くんの方へ視線を向けた。

「何? 俺、マズイ事言った?」
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