トキトメ
「そのせいで、電話に出るのが大変です」

 プルルル・・・

「ほら、また掛かって来た」

「はいエスエヌロジスティクス倉庫1課、前園でございます」

 ひっきりなしに掛かって来る電話。

 いつもなら男性社員も取ってくれるので、電話に追われるという事もないけど、今はそんなわけにはいかなかった。

「リーダー、倉庫2課の小出リーダーからです」

「ありがと」

 私は、その電話を取った。

 
 全員が戻って来たのは、お昼前だった。

「部長、どこ行ってたんですか? 電話の対応が大変だったんですからね」

「すまんすまん。総務から力仕事頼まれて、みんなで力を貸してたんだ」

「だからって、何も全員で行かなくても」

「1人でも多い方が、早く終るだろ?」

 部長はそのまま部長室の中に消えて行く。

「あー働いたらお腹すいたー。中西、お前昼どうする?」

「ラーメンでも食いに行きますか?」
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