トキトメ
「着きましたよ。話は僕に任せて下さい。椛島さんはいつものように、最後の詰めをお願いします」

「わかりました」

 私たちは、受付を済ませると応接室に案内された。

「やぁ、これはこれは。3人もお揃いで今日はどういったお話しですかな?」

 目の前に座っているのは、丸松倉庫部長、野口三郎。

 通称エロおやじ。

 以前、接待で料亭に行った事があるけど、酔った部長に絡まれて困った。

 下ネタ連発、大胆なおさわり。

 むげにも扱えず、必死に我慢していたけど、2人きりだったらぶん殴っていたかもしれない。

 それからも、会うたびに私にいやらしい視線を投げかけて来る。

 ・・・今もだ。

 その目線は、私の閉じられた膝の辺りを見ている。

 ちょっとでも隙間が開こうものなら、その奥を見たくてたまらないというような目つき。

 顔は、オイルでも塗ったの? というように全体がギラギラと輝いていて、仕事じゃなかったら絶対会いたくない部類の人間だ。

 ここを子会社化して、うちの会社が大きくなるのはいいけど、それだけ接点がおおくなりそうで、手放しでは喜べない。
  




 
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