トキトメ
「俺、あの席じゃなかったら、きっと何か言ってた」

「何かって?」

「俺の彼女をいやらしい目でみるんじゃねぇ・・・とか?」

「その前に、私が殴ってる」

「律ちゃんにも、そんな一面あったんだ」

「そうよ~私を怒らせたら、怖いんだからね」

「俺も怒られないようにしっかり働かなくっちゃ」

「な~んてね。良くんには何にも言わないわよ」

「いやいや、きちんと怒ってよ」

「まあ、それはいいとして、今日の仕事どうだった?」

「塚田さんって、本当に出来る営業マンだと思った。俺、あんなにトーク上手くないし」

「良かった。前田くんが営業向きじゃなくて」

「えっ?」

「もしそうなら、こうして会えなかったもん」

「でもさ、あの人、たぶん律ちゃんの事好きだよ」

「えっ? 塚田さん?」

「うん」



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