トキトメ
~律子side~
「それじゃ塚田さん、私はこれで」
「あなたと同じ駅だったとは、知りませんでした」
「時間帯が違いますからね」
残業を終えた私は、いつものように電車で家に向かっていた。
電車のつり革につかまって、ぼーっと流れ行く景色を見ていたら、隣に誰かが近づいて来た。
それが、塚田さんだった。
「今日はご一緒出来て良かったです。あの宜しければ、近くで食事でもいかがですか?」
「すみません。家で待ってる人が居ますので」
「どなたかと、一緒に住まれているんですか?」
「俺です」
「良くん!」
「あはは、やっぱり君か」
「えっ?」
「社内での感じが、普通じゃなかったから」
「えっ?」