トキトメ
 月曜日の朝、私達が玄関を出ると、丁度同じタイミングで崎田さんも部屋から出て来た。

「あら、おはよう」

「おはようございます」

「どう? 部屋は片付いた?」

「はい」

 何だかぶっきらぼうな答え方。

 朝は、機嫌が悪いのかな?

「あっ・・・車、一緒に乗ってく?」

「えっ?」

「どうせ目的地は一緒だし、電車より楽でしょ」

「いいえ、結構です。お2人の邪魔はしたくありませんから。では」

 そう言うと、彼女は先に行ってしまった。

 良くんもぽかんと彼女の後ろ姿を見つめていた。

「崎田さん、怒ってる? 私達、彼女を怒らせるような事何もしてないよね?」

「うん・・・してないと思うけど」

「まっ、いいか。行こっ」

「そうだね」

 私達は、車に乗り込むと会社に向かった。
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