トキトメ
「リーダー、言われた資料の準備出来てます」

 オフィスに戻るとすぐに大賀さんが近づいて来た。

「大賀、ありがとう。それじゃ、これ営業2課の古賀くんに届けてくれる?」

「えっ、古賀さんに?」

 嬉しそうな大賀の顔。

 古賀くんが彼女のタイプだって事、私も知ってる。

 古賀くんのタイプを聞いた事はないけど、2人、似合ってると思うんだけどな。

「リーダー、私、化粧崩れてませんか?」

「うん、大丈夫。いつも通り綺麗よ」

「では、行って来ます」

 そう言うと、彼女は手にした書類を胸に、ピンクのオーラに包まれて出て行った。

「リーダー、古賀さんへのおつかいを頼んだのは計画的ですか?]

 残った前園さんが質問して来た。

「バレてた?」

「やっぱり・・・」

「で、前園はあの2人どう思う?」

「大賀さん、古賀さんの事狙ってるんですよね」

「そうなの?」

「でも、営業2課とはあまり接点がないでしょ? 今のチャンスは大いに活用して来ると思います」

「上手くいけばいいけどね」

「リーダー、私にもチャンスを下さいよ」

「前園は誰狙いよ」

「う~ん、営業1課の松本くんとかぁ、柴田さんとかぁ」

「大賀と言い、あなたと言い、相変わらずイケメン狙いね」
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