彼の言葉は。



どこへいったのかも最初は知らなかった。


そして、彼の友達に聞き回ったにも関わらず、得た情報は、イギリスに行ったということだけ。



もはやなす術なしだった。



あたしの携帯は海外でも使えるし、あたしの番号は変えてない、ましてやアドレスだって変えてない。


なのに、彼から連絡は一度もない。あんな一言で私を置いて逃げるなんて、ありえない。





あたしから連絡する気にはどうもなれなかった。


繋がらない可能性もあることを頭の中で考えただけで今でも泣きそうになってしまう。







でも忘れて新しい恋なんて、出来ない。



だってあたしは、まだ大好きだ。


だからあたしには、ただ彼を信じて待つことしか出来ないんだ。



…まあ、実際のところ、半分諦めてるけど。


そんな夢のような話ありえないって。


あたしのことが嫌になったと考える方がよっぽど現実味を帯びてる。




─それでも信じていたかったの。




彼が旅立つ前、あたしはなにもしてあげられなかった。


3年という長い月日をともにしたのに、あたしは彼の変化に気づけなかった。



だからもし、彼が本当にあたしに待ってて欲しいなら、あたしはいつまでも待つ。


好きだから。



ただ、それだけ。





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