「異世界ファンタジーで15+1のお題」五
*
「……なるほどね。
君の話を聞く限り、やっぱり、ここは僕のいた世界じゃないみたいだね。」
「え……で、でも、そんなことって、本当にあるのかな?
もしかして、ここからうんと遠い国だから、お互いに知らないだけなんじゃ…」
僕のその言葉に、アズロは小さく笑った。
「僕は、長い年月をかけて、それこそ世界の隅々まで行ったけど…
君が今話してくれたような話は、どこでも聞いたことがない。
……わかるよ。君が信じられないのも当然だ。
だけど、世界は一つじゃない…
って、僕にはそれを証明することは出来ないけど、だけど、僕はそれが真実だと感じている。」
「どうして…?」
「う~ん…
まぁ、僕自体が、言ってみれば違う世界の人間みたいなものだからね。」
彼の言ってることは、僕には理解出来なかった。
だけど、なぜだかそれをすんなりと僕は受け入れていた。
アズロは空を飛ぶ。
鳥のような翼も持たないくせに…
彼の世界にもそんな者はめったにいないようだ。
つまり、彼は、彼の世界でも特別な存在だということだ。
そんな彼だから、余所者だという方が合点がいく。
「アズロ……君は心配じゃないの?
もし、君の言うように、ここが君のいた世界じゃないとして…そんな所に来てしまったことが怖くないの?」
「だから、さっきも言ったじゃない。
ここは空気もあるし、言葉も通じて良かったって。
それがわかったから、たいていの不安はなくなったよ。」
僕はじっと彼の顔をみつめた。
それは確かに正当な理由かもしれないけれど、人の心は複雑だ。
生きられる環境があり、意志の疎通が取れるからといって、それだけで安心出来るものじゃない。
おそらく、たいていの者ならば、元の世界に戻れるだろうかということを一番に憂う筈。
自分かいなくなったことで家族が心配しないか…そして、残された家族は……
「シンファ…どうかしたの?」
「アズロ……君、家族はいないの!?」
アズロは僕のその質問に、一呼吸置いてゆっくりと口を開いた。
「……友人はいるよ。
けっこうたくさんね。」
彼もまた僕と同じなんだと気が付いた。
彼にも家族はいない…
または……僕と同じように捨てられた者なんだと……
「……なるほどね。
君の話を聞く限り、やっぱり、ここは僕のいた世界じゃないみたいだね。」
「え……で、でも、そんなことって、本当にあるのかな?
もしかして、ここからうんと遠い国だから、お互いに知らないだけなんじゃ…」
僕のその言葉に、アズロは小さく笑った。
「僕は、長い年月をかけて、それこそ世界の隅々まで行ったけど…
君が今話してくれたような話は、どこでも聞いたことがない。
……わかるよ。君が信じられないのも当然だ。
だけど、世界は一つじゃない…
って、僕にはそれを証明することは出来ないけど、だけど、僕はそれが真実だと感じている。」
「どうして…?」
「う~ん…
まぁ、僕自体が、言ってみれば違う世界の人間みたいなものだからね。」
彼の言ってることは、僕には理解出来なかった。
だけど、なぜだかそれをすんなりと僕は受け入れていた。
アズロは空を飛ぶ。
鳥のような翼も持たないくせに…
彼の世界にもそんな者はめったにいないようだ。
つまり、彼は、彼の世界でも特別な存在だということだ。
そんな彼だから、余所者だという方が合点がいく。
「アズロ……君は心配じゃないの?
もし、君の言うように、ここが君のいた世界じゃないとして…そんな所に来てしまったことが怖くないの?」
「だから、さっきも言ったじゃない。
ここは空気もあるし、言葉も通じて良かったって。
それがわかったから、たいていの不安はなくなったよ。」
僕はじっと彼の顔をみつめた。
それは確かに正当な理由かもしれないけれど、人の心は複雑だ。
生きられる環境があり、意志の疎通が取れるからといって、それだけで安心出来るものじゃない。
おそらく、たいていの者ならば、元の世界に戻れるだろうかということを一番に憂う筈。
自分かいなくなったことで家族が心配しないか…そして、残された家族は……
「シンファ…どうかしたの?」
「アズロ……君、家族はいないの!?」
アズロは僕のその質問に、一呼吸置いてゆっくりと口を開いた。
「……友人はいるよ。
けっこうたくさんね。」
彼もまた僕と同じなんだと気が付いた。
彼にも家族はいない…
または……僕と同じように捨てられた者なんだと……