話術師フェイス
「そうやって、すぐあやまるのやめた方が良いわよ。それとも、そういう罠なの?」



 まさか・・・。



「そんなんじゃないですよ・・・。普段から、そんなことを心がけて会話をしていたら身が持たないです。」



 『話術戦』とも言うべき、会話だけの戦闘。



 不用意な一言も許されない会話なんて、うさ美さんが使っているであろう香水の匂いが漂うこんな状況でできるはずもない。



「あっそ・・・意外に頼りないのね。まぁ良いけど・・・。」



 うっ・・・・



 こう見えて、現実のうさ美さんは何気にキツイな・・・。



「スイマセン。」



 なぜか、もう一度あやまってしまった。



「それで、何が聞きたいの?」



 そうだった。



 すっかり、うさ美さんのペースに載せられてしまい、本質を忘れるところだった。




 ここからはしっかりしないと・・・。


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