話術師フェイス
「マルディウスの世界で話したとおりですよ。日本史ナンバーと白竜の正体を教えて欲しい・・・それだけです。」



 正直なところ、ある程度の予想はついている。



 ただ、確信はないし、万が一ボクの予想通りだとしたら、この一件からは手を引いた方が得策だ。



「目的は?」



 当然の質問だろうな・・・。



「今後の自分の身の振り方を考えるため・・・では、不足ですか?」



「妥当なところね・・・だけど、妥当すぎて、あまりに怪しいわ。彼らの正体を知ることのリスクを考えたら、少々覚悟が足りないわ。」



 なるほどね・・・。



「ならば、なんと言えば納得するのですか?」



「そんな質問に私が答えると思って?」



 ・・・いいえ。



「それに対してのうさ美さんの出方を見たかっただけです。」



「なるほど・・・。調子が出てきたようね。厄介者の臭いがしてきたわ。」



 それは、褒め言葉なんだろうか・・・?



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