話術師フェイス
「そうであれば良いと思いますが、そんな生やしい存在だとは思ってません。そもそも『ハッカー集団』と言うのがおかしいんですよ。」



 ハッカーが集団で動く理由はひとつぐらいしか思いつかない。



 ボクはそのあたりの知識に詳しくないから、難しいコトは分からないが、ハッカーというのは大抵単独犯が主流だ。



 人数が増えれば増えるほど統制が利かなくなるのがハッキングというものなのだから。



「なるほどね。」



「ハッカーが徒党を組む理由として考えられるのは、相手から何かを奪うため・・・。しかも、よほど大きなものだと思います。おそらくは白竜はそれを日本史ナンバーから奪うために結束された組織。」



「そして、日本史ナンバーはその大きなものを守る・・・いえ、『管理』するための組織というわけね。」



「はい。」



 そして、それはマルディウスというお手軽なネットゲームではない。



 それを管理する存在にしては、彼らは過激すぎる。



 白竜戦争、K1リリの逮捕。



 そして・・・・・キララの殺害・・・・・・・・・。



 今さらながらに、どうして彼女だったのか・・・・。



 動機なんて考えるだけ無駄だと分かっていながらも考えてしまう・・・。



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