話術師フェイス
「私たちが奪い合ったのは、それこそこの国そのものを思いがままに操れるほどのものよ。」



 つまり・・・・・・。
「『情報の支配権』・・・ですか?」



「さすがね・・・。一瞬でそこまで見抜くなんて。」



「ただの勘ですよ。」



「でも、ノーヒントではないんでしょ?」



 ・・・・・・・・・まぁ、そうだけどさ・・・。



「第一産業時代、食料を支配するものが世界の覇者になった。第二次産業では機械を支配するもの。そして、第三次産業時代と言われている今、情報を支配できるものが現れて世界を牛耳る・・・。考えれば、分かりやすいことです。」



 劉備、弥生さんの言動、そしてうさ美さんの発言、歴史的背景。



 冷静考えれば、ヒントはいくらでも存在したのだ。



 それならば、命を賭けた戦争が起こるのも分かることだ。



 ・・・・支配欲。



 下らないとは言うまい・・・・。



 ボクにだって、そういう感情があるのだから・・・。



「決して分かりやすくないとは思わないけど・・・。それを、あっさり見抜くあたり、あなたは脅威よ。その通り、私たちは情報の支配権をめぐって戦争を行った。」



 普通に考えればおかしな話だとは思う。



 情報に支配権が存在するなんて。



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