話術師フェイス
 だが、『真実の情報』と言うものは、すでに特権階級の代物だ。



 そして、彼らに『真実』を与えられる人物というのは、事実上彼らを操れる立場ということを示す。



 その力は政治界、経済界、さらには裏社会まで思いがままだろう。



 よくよく考えると・・・



「恐ろしいですね。」



 正直な感想だった。



「今さら怖気づくの?」



 図星だ。



「予想以上ですよ。そこまでの存在だとは思ってませんでした。」



「私に対してその程度の『嘘』が通じると思って?」



 ・・・・・やっぱり、ばれてましたか?



「それはうさ美さんの勘ですか?」



「もちろん、ノーヒントではないけどね。」



 やられた。



「恐れ入ります。」



 もっとも、日本史ナンバーの正体を自らあそこまで暴いておいて、今さら予想以上も何もないのだが・・・。



< 113 / 207 >

この作品をシェア

pagetop