話術師フェイス
「そういう質問は卑怯です。」



「相手は、マルディウス史上最大の大悪人よ。勝算はあるの?」



 ・・・・・そんなもの・・・あるものか・・・・。



「もし・・・うさ美さんが協力してくれるなら。」



 これは、協力要請ではない。



 ただの『探り』



 ずっと疑問だったコトを判断するためだ。



 うさ美さん・・・・・・・・あなたは本当は「敵」なんじゃないですか・・・・・・・。



「ふぅ。」



 うさ美さんは、一言溜息をつくと。



「・・・それで、私がそれを断ったら、私はあなたの「敵」ということになるのかしら?」



 読まれていましたか?



「普通に考えたら逆でしょ?二つ返事で了承した方が怪しいです。」



「それもそうだね。」



 そう言ってうさ美さんはケラケラと笑い声をあげた。



 文字だけの会話では決してありえない、感嘆を交えた会話。



 コレだけでもボクにとっては動揺のタネだ。



 本当に・・・ボクなんかが、あの劉備を陥れられるのかどうか不安になってくる。


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