話術師フェイス
「うさ美さんは独自の調査を進めるということですか？」



　思わず、ボクの口から笑みがこぼれるのが、自分でも分かった。



　理解したことが嬉しいのではない。



　この場で、勝算ができたことが、純粋に気持ちよかったのだ。



「そういうことね。本当は黙って弥生の策にハマったフリをしていようと思っていたんだけど、この場でそういうことを話しても何の問題もないから、別にいいわ。」



　なるほど。



　それで、あの時うさ美さんは、ｋ1リリが捕まった時点で事件が解決したと惚けて見せたのか･･･。



　だとしたら、あの時ボクはうさ美さんの行動の邪魔をしたコトになるのだな･･･。



　･･･････････よかった。



「そういうことですか。」



「そういうことなのです。」



　違う。



　おそらく、うさ美さんが思っていることと、ボクが考えているコトは圧倒的に違う。



　ようやくボクは気がついたのだ。



　････キララが殺害されたわけを･･･。


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