話術師フェイス
「お褒めに預かり光栄です。」



「いいさ。所詮、私ごときが『話術師』相手にかなうはずがなかったんだから・・・。」



 直感。



 ただ・・・なんとなく、この言葉がとても危険な言葉に感じた。



 あまりにボクの思い通り・・・。



 都合の良い方向へ物事が進んでいる。



 相手は・・・・あの『嘘つきウサギ』だぞ・・・。



 もしかして・・・ボクは既に術中にはまっているのかもしれない・・・。



「そんな言葉でボクが優越感に浸ると思いましたか?」



 だが・・・物事は考えようである。



 つまり、そのように考えさせることが・・・彼女の作戦。



 全ては疑心暗鬼。



 おだてには乗らない。



 嘘は・・・・騙されなければ、意味がない。



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