話術師フェイス
「さしずめチーム『噺家』と言ったところですか?」



 『嘘つき』と『話術師』の即席チーム。



 結成と同時に解散が約束されているチーム。



 それで十分。



 それだから良い。



 劉備・・・お前ごときを倒すぐらいならばそれで十分なんだ・・・・。



「『チーム噺家』・・・って?どんなセンスよ?」



「え?そうですか?」



 けっこう良い名前だと思ったんだけどなぁ・・・。



「ダサいにもほどがあるわ。私なら・・・そうね・・・・・。」



 うさ美さんは考え事をするように、上を眺めながら停止すると、しばらくして・・・。



「そうだ。『ki=rara』って名前はどうかしら?」



 キララ・・・。



 それは、ボクの愛し人の名前・・・。



 既に死者となり、この世には存在するもののない名前・・・・。



「手厳しい名前ですね?」



 心から思った。



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