話術師フェイス
 フェイス:「まぁ、大方予想通りでしたが、欲しい情報はありました。・・・だけど、こうやってみると、本当にただの衝動的強盗殺人ですね・・・。」



 殺す相手は誰でもよかった。



 ただ殺したかった・・・。



 確かに、こういう事件なら心が未成熟な中学生は、格好の変わり身だ・・・。



 証拠も動機も目撃証言も作ってしまえばいい。



 世の中よく出来ている・・・・・・・。



 うさ美:「衝動的?だけど抵抗したあとがないから身内の犯行だといわれているんだよ。」



 フェイス:「別に、抵抗したあとがないことが身内の犯行の決定的な証拠にはなりません。殺された相手が男性だというなら話は別ですが、キララさんは女性だった。」



 うさ美:「だから?」



 フェイス:「あまり一概には言えませんが、目の前に強盗が現れたら腰を抜かして動けなくなるか気絶してしまうかのどっちかです。抵抗なんて出来るはずもない。」
ましてや、キララはボクと同じように元ひきこもり。




 犯人になす術なくやられてしまったのかもしれない・・・。



 うさ美;「なるほどね。まぁ、その可能性は高くないけど、まったくないとはいいきれないわね。」



 フェイス:「そういうことです。指紋等は手袋とニット帽でもあればいくらでも隠せます。」



 フェイス:「目撃証言も時間帯的に危うい時間ですが、キララさんの家の立地条件を考えるとなくても不思議はない。」



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