話術師フェイス
 うさ美さんかもらったキララさんの家の立地条件と間取り。



 田舎ではよくある農村の家。



 学校も遠く、近くにお店があるわけでもない。



 人通りもまばらで、隠れようと思えば、いくらでも隠れ場所なんてある。



 もしかしたら、午前中からキララの家に潜み、帰って来たところを襲われたのかもしれない。



 うさ美:「確かに。そう考えると誰が犯人でも不思議はないわね・・・。」



 フェイス;「まぁ、コレだけを見て普通に考えると、実は一番怪しいのは、第一発見者である斉藤恵さんといったところですが、やっぱりボクは劉備が犯人だと思います。」



 親が犯人の場合、どんなに指紋が見つかっても、髪の毛が落ちていても何の不思議はない。



 抵抗のあとだって出てくるはずもないし、もちろん、目撃証言なんて出てこようがない。



 それに、どうしてもボクが疑問に思った点だって、彼らなら、何の問題もなくやってのけるだろう・・・。



 それは・・・どうやって何の証拠も残さず彼女の家に侵入し、キララの部屋まで行ったのか・・・という点・・・・。



 もっとも、つじつまの会う人物であるコトは間違いないのだが、どうしても両親の線は薄いような気がしてならない。



 うさ美:「やっぱり、それは勘?」



 フェイス:「ハイ。やっぱりノーヒントではないですがね。」



 お決まりのセリフ。



 うさ美:「いったい、どうしてフェイスくんは劉備をそこまで疑うのさ?」



 フェイス:「弥生さんですよ。」



 うさ美:「はい?どういうこと?」
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