話術師フェイス
 フェイス:「やっぱり・・・イツまでも反応がないからどうしたんだろうと思っていましたが、やっぱり観賞していましたか・・・。」



 劉備:「あぁ、僕もそれなりに思慮深い男であると自負しているからね。簡単にしかもあんなに安い挑発に安々と引っかかったりはしない。」



 フェイス:「だけど、あなたは今この時点で返信をしてきた。勝算が出来たと言うことですね。」



 劉備:「さすがだ、フェイス君。君の鋭い勘には恐れ入る。だが、古来より攻撃は先制を仕掛けた方が有利とされてきてはいるが、実際はそうではない。先制攻撃の際に立てる作戦には必ず驕りがあり、穴がある。日本軍しかり、今川義元しかりだ。君にも同じようなことが言えるのではないのかね?」



 コレが、劉備お得意の『威圧』



 確かに圧倒されるパワーがある。



 しかし、ボクにとってはこの程度。



 フェイス:「それについては否定しません。だが、僕は日本軍でもなければ今川義元でもない。ましてやあなたはアメリカ軍でもなければ織田信長でもないのです。」



 劉備:「だから、勝てると?」



 フェイス:「負けないだけです。それに正直な話、ボクはそれほど綿密な作戦を立ててはいないんですよ。」
 


 相手は信じないだろうが、コレが事実。



 だが、『嘘』でもある。



 うさ美さんの・・・いや、「嘘つきウサギ」の得意技。

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