話術師フェイス
 フェイス:「それよりも、ボクにとって重要なコトは、どうしてあなたが今になってボクの前に現れたのか?・・・ということです。」



 おそらく、相手は『本物』・・・いや、正確には『本物の1人』であると思う。



 少しだけ引っかかっていたのだ・・・。



 もし、アイツが偽者だったのならば、どうしてうさ美さんは見破れなかったのか・・・。



 確かに、組織内の人間関係は非常に希薄で、無駄な会話をすることがなかった。
とは言え、あのうさ美さんまで誤魔化せるものなのだろうか・・・と・・・。



 おそらく『劉備』とは、複数の人数で構成されるキャラクター。



 いくら人格を似せていても、まったくの同一人物を演じるコトはできない。



 なれば、アイツが多少本物の劉備とは違う行動をしたとしても、怪しむものなどいるはずがないのだ・・・。



 もちろんそんなこと、ただの勘でしかないのだけど・・・・・。



 劉備:「ふむ。そうだな。そもそもそれを話さないことには始まらない・・・。だが、君はいささか、物事を早々に進める癖があるな・・・いや、これこそが君の戦い方と言うべきだろう。いついかなるときも、自分の戦闘スタイルを崩さないのは、ある意味素晴らしいが、同時にそれだけ警戒心を煽ることでもある。さすがは、自らを最強と名乗ることだけはあるよ。」



 ほんとに、やかましいほどに文字を並べる男だ・・・。


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