話術師フェイス
 フェイス;「それは大きな勘違いです。あなたとボクは今この瞬間は少なくとも敵ではないのですし、対決しているわけではない。とりあえずボクがあなたに攻撃をするコトはない。」



 劉備:「そのとおりだ。まさにそのとおりだな話術師君。だが、少なくともこの時点で会話の主導権を握ったのは君の方だ。」



 フェイス:「それが、ボクのやり方です。ましてやあなたは仮にもマルディウス史上の大悪人を名乗る人物の1人だ。ある程度の警戒はしますよ。」



 話術師らしいボクの逃げ口上。



 相手は敵ではないが、警戒を解かないわけには行かない・・・。



 劉備:「なるほど。敵ではないが味方ではない人間に対しては妥当な判断と言ったところか・・・。しかし、それを分かっていても実行できる人間は少ない。彼の最大の敗因は、この部分を見逃し、君を敵と安易に判断してしまったコトにあるのだろうな・・・。」



 『同一人物』だというのに、よく言う・・・。



 フェイス:「なんとでも言ってください。それよりもあなたの話がまだ途中だ。いったい何のために現れたのか・・・。ボク相手にイツまでも誤魔化せると思わないでください。」



 強気の姿勢は諸刃の剣。



 分かっているが、相手は強大。



 諸刃であろうがなんであろうが、剣の一つも必要だ。


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