話術師フェイス
 弥生:「それで、あなたはその劉備とも接触したのに、無事に帰ってきたというの?」



 ある夏の日のマルディウスワールド。



 ボクの世界には、日本史ナンバー『弥生』が当たり前のように存在した。



 アイツの与えた『エサ』にまんまと食いつき、アイツの思うがままに仮の犯人を仕立てるという、あまりにも安直な手段で事件の収集を目論んだ彼女。



 ボクが現れなければ、あいつの術中にはまり自らの破滅を呼び起こしていただろう。



 彼女によって犯人に仕立てられた彼は二度と帰ってくるコトはない。



 可哀想だとは思うまい・・・・・。



 これが世界の理。



 同情、油断、正義感・・・



 一つ間違えば、彼の立場に陥るのは自分だ・・・。

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