話術師フェイス
 フェイス:「まぁ、結果はボクの負けでしたけどね・・・。」



 弥生さんに先日のコトを話す。



 いや、正確に言うなら彼女の方から聞いてたのだ。



 本物の劉備に出会ったこと。



 そして・・・彼に負けたこと・・・。



 なぜ、知っているのか・・・。



 『諜報部』の異名を持つ彼女に聞くだけ野暮というものだ・・・。



 弥生:「それでも、今こうしてあなたがここにいると言うコトは、ただ『負けた』というわけではないんでしょ?」



 さすが、弥生さん。



 鋭い・・・。



 フェイス:「そりゃ、ボクもまだ死にたくないですしね・・・。消されないための伏線ぐらいは張りましたよ。」



 弥生:「それを、『負けた』というのも、どうかと思うわよ。どうせ、あなたのことだから、『負けた』のではなく、『負けてあげた』のでしょう?」



 そこまで見抜きますか・・・。



 フェイス:「結果としては、同じことです。」



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