話術師フェイス
 うさ美:「足を洗ったからって、大切な友達が酷い目にあってるのに、黙ってられますか!」



 きっと、この気質がうさ美さんを唯一生き残らせた・・・いや、このゲームに留まらせた原因だと思う。



 かつて、自分の存在意義だった白竜もなくなり、友に戦った友人もほとんど失ったというのに・・・。



 なんて、強い女性なんだろう・・・・・・・・・・・。



 キララ:「本当に辞めて、うさ美!もうあんな酷いコトはしないで。戦争は終わったんだよ。あんな下らないヤツほうっておこうよ。そんな理由でうさ美まで失いたくないよ・・・。」



 それは、文字だけの言葉にもかかわらず、本気でキララが泣いているように感じた。
この世界でレベルを60以上の者なら誰でも知ってる白竜戦争。



 この事件を『戦争』と言わないものはいない・・・。



 本当に、何があったのか・・・ボクにはわからないのが、悔しくてたまらない・・・。




  ・・・・・・・・





 二人の間に流れるしばらくの無言。



 うさ美さんが、キララの発言に戸惑っているのが、画面越しにも伝わってきた。




 うさ美:「わかったよ・・・。キララがそこまで言うなら、何もしないでおくけどさ。せめて、これ以上被害が進むようなら、アルペクスに報告するなりのことはしなよ。」



 うさ美さんがそんなこと言うのは、珍しいと思った。



 うさ美さんから、アルペクスの名前が出るなんて・・・・。



 でも、キララにはそれだけの力があるということなのだろう。



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