話術師フェイス

 本当は、こんなタイミングで聞くことではなかったかもしれないが、2年間他人とまともに会話したことないボクは俗に言う『空気を読む』ということが、非常に苦手だった。



 キララ:「あ、フェイ君は劉備さんを知らないんだっけ?」



 うさ美:「ある意味、珍しいわね・・・。でも、そういう人間が私の周りには必要なのかもしれないね・・・。」



 うさ美さんの感慨深い言葉は、ボクにこれ以上のコトを聞く勇気をそぐわせた



 ・・・やっぱり、聞いちゃいけないことだったのかな・・・・・。



 キララ:「フェイ君。劉備っていうのはね、うさ美のリーダーだった人だよ。」



 今まで三人で話していたチャット画面ではない。



 キララさんが気を使って内緒チャットで送ってきた言葉だった。



 うさ美のリーダー。



 つまり、劉備とは白竜の創設者であり、『キング』だった人。



 前大戦において、白竜を指揮し日本史ナンバーを翻弄し



 ・・・・・・・そして、敗れ去った人・・・・。



 フェイス:「そうなんだ・・・。でも、どうして今さら・・・?」



 白竜のリーダーは、その危険性から永久追放はもちろん。日本史ナンバーによって身柄を拘束されたと聞いている・・・。




    ・・・・なぜ、今さら帰ってきた・・・・・・・・・・・?




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