話術師フェイス
 拡声器の発言。



 しまった!と思ったときは既に遅い。






 ・・・・・・・・・・言葉の呪縛・・・。






 今度は、仮名ではなくきちんと『劉備』と名乗っている。



 この世界は最も有名な名前の一つ。



 ・・・・・・・して・・・やられた・・・。



 マイスター:「え?おいフェイス?これはどういうことだ?」



 やはり最初に反応したのはマイスター。



 フェイス:「いや、何かの間違いだと思うよ。」



 さすがに言分けなんて思いつくはずもない。



 マイスター:「でも、今劉備って・・・。」



 フェイス:「そうだよね・・・ごめん。今度あとでゆっくり話すよ。」



 僕はそれだけで、なんとか話題を区切りたかった。



 拡声器で、ボクの名前が出たコトを皮切りに、見たこともない、いろんな人からの内緒チャットが迫ってきている。
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