話術師フェイス
 うさ美:「弥生!・・・あなた・・・。」



 弥生:「もちろん、コレはあなたが最も得意とするダミーデータ・・・『嘘』の一つだというコトぐらいは承知しているけどね・・・。だけど、実力の違いは分かった?」



 弥生さんは、一応ここで文字を区切る。



 チャット字数制限を守っているあたり、どうやら劉備さんみたいに無駄に話すクセはないようだ。



 弥生:「私は『戦国』のようには行かない。ましてや戦線を離脱して半年もたったあなたが、本当に私と渡り合えるとは思わない。分かったら、ここから去りなさい。うさ美」



 『ウサギちゃん』ではなく『うさ美』。



 この違いは、おそらく相当大きい・・・。



 うさ美:「でも・・・。」



 フェイス:「ボクなら大丈夫です。うさ美さん。」



 言わざるを得なかった。



 これ以上、うさ美さんを危険な目にあわすわけにはいかない。



 弥生:「ほら、本人もそう言ってるわ。」



 うさ美:「フェイスくんは日本史ナンバーの恐ろしさを分かってないから、そういうことが言えるんだよ!」



 確かに分からない・・・。



 だが、弥生さんの目的は元・白竜のうさ美さんではなく、このボクだ。



 ならば、ここでうさ美さんだけでも立ち去れば、少なくともうさ美さんは無事でいられる。
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