話術師フェイス
 k1リリ:「・・・ふざけるな。そっちから話しかけたくせに。」



 弥生:「ふざけているのはどっち?私の質問に答えなさい。大人を甘く見た罰よ。応えなさい。あなたとキララさんはどういう関係だったの?」



 k1リリ:「知らない。全然知らない。キララさんって誰?」



 子どもに、この術から抜ける術はない。



 とぼけ続けるのが精一杯の抵抗だ。



 だが、そんなチンケな技・・・・・。日本史ナンバー相手に通じるはずがない。



 弥生:「とぼけるのも、いい加減にしなさい。こちらは、実力行使にだって出れるのよ。」



 馬鹿のフリというのは、とても簡単だ。



 何も答えずふざけていればいい。それこそ今のk1リリのように・・・だ。



 k1リリ:「本当に何も知らない。キララって始めて聞いた。」



 ・・・・だが、相手が誰かを見定めずにやるコトは、馬鹿のフリではない。



 ・・・・・・・・・本物の馬鹿のやることだ。



 これ以上、ここにいても、弥生さんが犯人である証拠が出てくることもなさそうだ。



 それに、最初からボクの疑いは弥生さんではなく、劉備さんだ。



 k1リリを庇い立てしてやれればと思ったが・・・ここまで思慮が浅いと、さすがに助けた船も沈めてしまうだろう。



 とりあえず、一言だけ言っておいて去るとするか・・・


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