話術師フェイス
 うさ美:「どういうこと?」



 『嘘つきウサギ』



 白竜戦争時のうさ美さんの総称であり、白竜の中でも、最も危険な人物とされる名前だった。



 『嘘』を扱うことを何より得意とし、相手を翻弄、混乱、その隙に相手を追い込み、問答無用で一瞬で叩き込む。



 正直・・・油断ならない・・・・。



 フェイス:「いや、その前に聞きたいのですが、うさ美さん。前に僕が聞いたこと覚えていますか?」



 昨日、弥生さんの登場により邪魔された、うさ美さんへの質問。



 今さら聞くコトに意味はない。



 だけど・・・。



 うさ美:「そんなこと、今さら聞いてどうするの?」



 彼女を警戒させるには十分だ。



 普段の彼女ままならば、ボクは彼女が嘘をついているのか、それとも普段のままであるのか見当もつかない。




 それこそが『嘘』の真骨頂。



 ・・・・彼女の戦い方だ。



 だけど、警戒さえさせれば、そこにボロが出る。



 後は、ボクの『話術』次第。



 うさ美さんがボロ出すのか・・・それとも、ボクの思いすごしで終わるのか・・・。



 できることならば、後者であるコトを祈る・・・。


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