太陽と月
「ちょっと雨に見とれてた」



雨という、あなたに―。



「萌音って不思議系でしたっけ?」


葵が、きょとんとしてる。


そんな葵を見て笑った。


平凡な毎日に光がさして、でも平凡で…。


これが今のあたしの幸せ。







授業開始のチャイムが鳴ると担任が入ってくる。


担任と目が合ってしまった。


「西島〜今来たのか?遅刻の罰として俺の机から今日の教材持ってこい」


「…はぁ〜い」


あたしは気のない返事をすると教室を出た。


うちの担任は若くて理解ある人なんだけど、たまに意地悪。


そんな事を思いながらトボトボと職員室へと向かった。
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