太陽と月
よく前が見えない状態でフラフラと歩く。


「重いよぉ〜…きゃっ!?」


ズッテーン!!?


あたしは自分の足に絡まり転んでしまった。


「イタタタタ…」


あたしが腰をさすりながら起き上がろうとすると目の前に1つの手が差し出された。



ゆっくりと見上げると男の人の顔が―。



「大丈夫かぁ?派手に転んだな」


その人は無邪気な顔で笑う。


あたしは、その人の手を掴み立ち上がった。


あったかい手。


その温もりを感じてると、すっかり離すのを忘れていた。


「あっ…ごめんなさい!」


あたしは慌てて手を離す。


「可愛い子だから、ずっと繋いでてもいんだけどな」


その人は悪戯っぽく笑う。
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