太陽と月
ガヤガヤとした教室。


一気に雰囲気が変わった。


「柳は今、登校か?久々に来るなら遅刻せずに来いよ」


うちの担任が柳先輩を見る。


「斉ちゃ〜ん、久しぶりだね!てかさぁ、女の子にこんな重いの持たせちゃダメだよ」


そう言い放つと風のように去って行った。



担任は苦笑いをして、あたしに席に着くよう促す。



何だったの?



風のように現れて風のように去って行った。





この柳先輩との出会いも、この先あたしと葵にとって大切な出会いになるなんて。



この時の、あたしは思いもしなかったんだ―。
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