太陽と月
傘に当たる雨の音に耳を澄ます。



あなたを見つけられるように―…。




「今日の萌音は羨ましかったな」


あれからずっと葵は柳先輩の事ばかり。


「葵マジで言ってんの?だったら応援す…あっ…」





あたしは、また目を奪われた―。





今朝の人だ。




傘もささず、また空を見上げてる。




そして、あの瞳。




あの影を持った瞳。




気付けば前に足が動き出していた。




この時のあたしは無我夢中だったのかもしれない。
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