太陽と月
もしかしたらと思った。



あいつが光なんじゃないかって…。



微かな希望。



俺にあっても、いいよな?



「今から走り行かねぇ?」


この時すでに外は闇に包まれていた。


今、走りたくて仕方ない気分。


「永遠から誘ってくんなんて珍しい!俺も走りたかったんだよねぇ〜」


俺は携帯を切ると単車の鍵を持って自分の部屋から出る。


玄関で靴を履きかえてるとリビングから母親が顔を出した。


「永遠…こんな時間に、どこ行くの!?」



今の俺には、この言葉がうざくて仕方なかった。


母親の心配なんて、わかりたくもなかったんだ。


俺は何も答えずに出て行くと閉まったドアの向こうから母親の泣き声が聞こえる。


その泣き声を掻き消すかのように単車のエンジンをかけ闇へと消えてった。
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