太陽と月
俺もビショ濡れになった体を単車に跨がらせる。


勢いよく唸るエンジン。


まだ出勤時間前なんだろう。


道は混んでなくて家路までの道のりが、すんなりだった。



家に着き単車を停めていると人の気配がする。


振り返ると親父がいた。




あの冷ややかな瞳でチラッと俺を見て通り過ぎて行った。





あぁ…やっぱりと再確認してしまう。




親父にとって俺は空気みたいな存在なんだと―。




俺が何をやっていても無関心。




この家で俺の存在価値って、どの位なんだ?




0に近い…いや0だろう。
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