太陽と月
教室を出ると、いろんな奴が声を掛けてくる。


「おまえらツーショットで見るの久々だなぁ!」

「颯太に永遠じゃん!」


皆、珍しいもんでも見るような感じで可笑しくなった。


「おまえ何笑ってんだよ?」


「颯太が来ただけで、こんな騒がれんだと思ってさ。つか、ほとんど学校来ないのによく3年にあがれたな」


でも実際、不思議には思っていなかった。


こいつの親父が裏で手でも回したんだろう。



大人の世界ってのは汚い。


金で何でも動いちまう。


こんな世の中だから俺らみたいな腐った人間ができるんだ―。
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