太陽と月
「なぁ〜永遠。おまえ好きな女いる?」


颯太が蕎麦をすすりながら突然聞いてきた。




好きな女?


いるわけがない。


この17年間で俺に光を差しのべてくれた女なんて、いなかった。




「いねぇーよ。そういえば最近、眞紘〈マヒロ〉見ねぇけど元気か?」


「あいつとは別れた」


俺は驚かなかった。


こいつの悪い癖。


女を取っ替え引っ替えして最後には捨てる。


捨てる位なら最初から付き合わなきゃいい。


泣かせる位なら付き合わなきゃいい。



けど…俺も颯太と同じ過ちを何度も繰り返してた。


唯一、颯太と違うのは捨てられてたのは俺の方。


最後に女は必ず、こう言った。





「永遠は、あたしを見てる?」
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